アップセット

錦織圭がマレーに勝ったことへの記事で「アップセット」(=upset)という片仮名が普通に使われていた。アップセットってそれほど日本で市民権のある言葉だったっけ?と記事を読むと違和感が甚だしい。

 

自分にとってupsetは怒っているとか興奮しているとか『楽しくない状況』を意味する英語としてしか知識も経験もない。

Are you upset?(怒ってるの?)とか。

 

記事で言う「アップセット」はアルクの英和辞典によると「(スポーツなどにおける)大番狂わせ」だということらしい。気になったので英英辞典で調べてみたらそのようなニュアンスは一切見当たらない。一番近いのがこれ。

[uncountable and countable] worry and unhappiness caused by an unexpected problem:

事前の予想を覆して格下の選手が上位選手に勝利するというよりは不測の事態が起きたことによる不幸な状態という意味。

イディオム的な使い方なのかもしれないけど自分としては大きな違和感がある。探してみたところ全米オープン公式サイトに元記事があった。タイトルが"Oh, Kei! Nishikori upsets Murray in five-set classic"。ふーむ、マレー選手の視点に立てば「不幸な状態」であったと言えなくもない…OKとかけているし、東スポ風のもじりの見出しに読める。日本語の記事だったから違和感があっただけで、マレー選手贔屓のアメリカ人が書いた記事だとすれば理解できる気がする。まさか直訳しただけ&カッコいいから「アップセット」ってそのまま書いてみようってだけじゃないよね。